神里原・・
5月9日17時57分、
「火事になっている、助けて!!」
妻からの電話に大慌てで原付にまたがりました。
信号無視を数回して一路自宅アパートへ。
すると黒い煙を空が覆い、道路を埋めるように赤色灯が並んでいました。
人を掻き分けながらバイクを進め、店舗前の歩道で停車。
ヘルメットを被ったまま、アパートへと走りました。
ここに来るまでに、「もしも火が回っていても飛び込もう」と覚悟を決めていました。
それくらい、妻からの声が耳に残っていました。
隣の建物の火が目の前で見えますが、運良く私達の住むアパートには火が回っている様子はありません。
「でもベランダが焼けているかも・・」とドアを開けようとすると、中から着の身着のまま妻が出て来て、声は震えているものの、意外とシッカリと、冷静な立ちぶりでした。
非難命令が出ていたので、一先ず駐車場まで。
興奮と不安、恐怖が入り混じっていたのでしょう、外に出た後、下の子供と一緒に泣き出しました。
駐車場で落ち着きを取り戻し、ベランダから見える炎と熱を肌で感じたことを話し始めました。
住まいのアパートがどういう状況になるのか?全く想像も付かないので、上の子達へも連絡を取り、駐車場に集めました。
23時前でしょうか、やっとのこと部屋に戻ることが出来ました。
ベランダ側の窓ガラスはヒビが入り、外にあったプラスチック製の品物は溶けていました。
木の切れ端は真っ黒に焦げています。
観葉植物は焼けています。
しかし、洗濯機、室外機は無事でした。
ベランダ側はススで黒ずんでいますが、何よりも人的被害と建物に被害が及ばなかったことがとても幸運だと思います。
あの火の勢い、規模で、風向きが変わっていたら間違いなく延焼していたでしょうし、住む家を失っていたでしょう。
またベランダのガラスを開けっ放しにしていたら、水浸しで大変なことになっていたでしょう。
何もかもが幸運であったと思います。
しかし反面、飲み屋街の全焼と、薬局、近くのアパートへの被害があったのは事実です。
自分たちだけが助かったから喜べるとは言い切れいません。
単に運が良かっただけのことですから・・
今朝から現場検証が始まっていました。
私達は電話が不通で、夕方には復旧しました。ネットも再開できました。
火の恐ろしさをまざまざと見せ付けられた昨日の夜。
古い建物の残る神里原の一部が消滅しました。
今、とても静かです・・
何が原因かは、まだ分かりません。
タバコのポイ投げなど、私達の身の回りを見ると結構危険な要素があると思います。
絶対安全と、保障することなどできません。
チョッとした行為が、このような結果を招くこともあります。
皆で意識して気をつけるようにしましょう。