2012年02月20日

タマが家族の一員であった日

世の中には動物好きな人も沢山居るでしょうし、嫌いな人も沢山居ることでしょう。
私は動物好きの部類に入ります。特に猫が。
品種とか問わず、とにかく猫が大好き。
いつの頃からか、猫の魅力にドップリ浸かってしまった一人です。
元々、犬派だと豪語していたのに、16年前のあの日から一転してしまったのです。


私たちは賃貸住まいの身であり、ペットとは無縁の者だと思っていました。
極自然に。


まだ上の子が4歳で、下の子が2歳。
何にでも興味を持ち、手加減を知らず、いつもケンカばかりして、物を取り合う。
そんな二人の子供がバタバタと足音を立てて、仕事から帰って来たばかりの玄関に立つ私に向かって、“お帰り”の挨拶もしないまま、
「おとうさん、おとうさん、きてきて。ちっこいネコがいるよ!」と。
特に下の子は少し興奮気味で口をとがらせて私のズボンを引っ張り、早く来てとせかすような仕草をしていた様に思います。
この興奮気味かつ嬉しそうな表情に、作り話ではないことは直ぐに分かりました。
尚の事、「は~ぁぁ、ペット禁止であることは分かるだろう!何を考えているんだ!!」と、怒りと言うか何かが湧き上がってくるのを感じました。

妻の下に歩み寄り、一体何事?と事情を聞こうとすると、そこにはタオルに包まれ、妻の手に抱かれた小さな小さな赤ちゃん猫がスヤスヤと寝ている姿でした。
『えっ、こんな小さいの!』
体の毛もまだ薄く、まばらに生えていて、何よりも目ヤニで完全に目が閉じている状態。
四つんばいで歩けるか?くらいの小ささです。生後1~2週間程度でしょうか。
お世辞にも「可愛い」と声に出せるような猫ではありませんでした。

若干引き気味の私の心を見抜いたかどうか定かではありませんが、
「子供たちが下で遊んでいる時に、鳴いている猫を見つけ、私を呼びに来たわけ。そして見に行ったら、側溝にブルブルと体を震わせながら、ニャーニャー鳴いているこの子が居たのよ!」(若干興奮気味)
それを見た瞬間、
「今引き取らないとこのままでは間違いなく死んでしまう!だから拾って来た。私が面倒見るから大きくなるまで飼っていいかな?ある程度成長したら放せばいいと思うし」

強い想いを感じた妻の言葉に、「アパートだから飼えない」の理由は弱く、「俺、知らんぞ」と無関係の態度を示しつつ、「(そう言う理由)であれば、良いんじゃないの」とOKを出したのです。
でも、こんな小さな赤ちゃん猫を見捨てる訳にはいかないし、助けてあげたいと思うのは当たり前の心境だろうし・・。仕方ないよな~。
妻が、「お父さんが飼ってもいいって!」と子供たちに言うと二人は、「やった~!!」と笑顔で何度も何度も飛び跳ね、喜びを全身で表現していました。
子供たちにとって動物を飼うのは初めてであり、余計に嬉しいのでしょう。
扱い方も、何も知らないのに、ただただ無邪気に喜んでいるのでした。

そう言う私も、赤ちゃん猫や犬を飼った事がないのでどうしたらいいのか、全く検討も想像もつきませんでした。子供のように無邪気に喜べない自分がいるて、「大家さんにバレないようにしないとな~」と、先のことを不安に思う自分がいました。
『バレて追い出されたらどうしよう』。それよりもバレない事を考えるとか、ポジティブな思考は一切回らず、不安要素だけが回っていました。

そんな私をよそに、心から大喜びしている子供たちと、優しいまなざしで赤ちゃん猫を抱いている妻を見て、「まあ、何とかなるか!」と、考えを切り替えることができました。
その日から、私(家族)とマイペースな猫との生活が始まりました。(苦悩の始まり??)



当時TVで流れていた「うちのタマ知りませんか?」を良く観ていた子供たち。
上の子が、「タマがいい!」の一言で、我家に来た初めてのオスの赤ちゃん黒猫は“タマ”と名付けられ、こらから16年後の昨晩、永眠するまで生き続けるのです。

タマが家族の一員であった日




Posted by ダーリー at 17:24│Comments(0)
 
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